海勉 Studies of the ocean

国民共有の財産である海洋水産資源の管理は国民に開かれた政策の下で科学的に行われなければならない

サンマについてのレポート、条約。記2021年8月24日

国立研究開発法人 水産研究・教育機構のレポートが以下のリンクから閲覧可能。

http://kokushi.fra.go.jp/index-2.html 国際漁業資源の現況 -令和2年度現況-

 

要約版詳細版 があるが、詳細版の表1に1995年から2019年までの北太平洋におけるサンマの国・地域別漁獲量(トン)が載っている。日本はサンマ漁獲国の中心で、2014年までは14万から30万トンで推移、2015年以降は高々12万トン強しか漁獲できていない。さらに、21世紀に入ってから台湾やロシアが漁獲量を上げ始めて近年までに台湾は高水準を維持、ロシアは減少傾向、韓国は1万から3万トンで横這い、2012年に中国、2013年にバヌアツが公海漁場に参入、といったことが読み取れる。気になったのは、漁獲割合Fが2010年ごろから最大持続生産量(MSY)を達成する漁獲割合F_MSYを上回ってしまっていること(図6)や日本の漁獲可能量(TAC)が非現実的な高い値に設定(26.4万トン、図11)されて事実上規制として役割を果たしていない点だろう。本来は資源を回復や維持するための数量上限としてTACは設定され実行されるべきだが、それができていない。これではサンマ資源は減り続けて当然だ。

 

国家間の条約としては「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約(略称:北太平洋漁業資源保存条約)」がある。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page24_000002.html 北太平洋漁業資源保存条約|外務省