海勉 Studies of the ocean

国民共有の財産である海洋水産資源の管理は国民に開かれた政策の下で科学的に行われなければならない

EBFMと最近の論文。記2021年7月25日

Ecosystem Based Fishery Management (EBFM)についてはPikitch et al. (2004)

10.1126/science.1098222

EBFMの目的は海洋生態系やそれに支えられる漁業を健全に維持すること。特に以下の四つが求められる。

(i)生態系の悪化を避ける

(ii)生物種の集まりや生態系過程への不可逆的変化が起こることのリスクを最小化する

(iii)生態系を危うくすることなしに長期的な社会経済的利益を得て維持する

(iv)人間活動の結果を理解するため生態系の過程の知見を創出する

 

最近の論文。

Silvar-Viladomiu et al.(2021) https://doi.org/10.1111/faf.12591 

F_MSY(最大持続生産量を達成するような漁獲係数)のような参照点は時間と共に変化するもの。その原因は様々だが、それら参照点の定義と推定のための技術基盤が主な原因だろう。reference point (「参照点」の英訳)は点ではなく reference series (「参照組」とでも訳すか)としてみる方が現在や過去からの持続性を数値化するのに適している。